テロと観光

ケニアの首都ナイロビから西へ約4キロ、ウエストランドという副都心がある。

5星クラスのホテルや有名なレストランなど混雑した市内から移ってきている。

新しいオフィスビルやショッピングモールも次々にオープンし人々の生活の場として賑わいを見せている。そんな中で9月21日(土)イスラエル系の資本の入った近代的なショッピングモールの一つにテロリストが乱入し警察との銃撃戦などがあった。BBCやCNNが世界中にその映像を流しそれを観た人達は“又か!”と思ったに違いない。勿論僕も観たし僕の家族も友人も知人も観た。観て感じたのは“まるで戦争みたいだ!”ということだった。恐ろしいんだ、恐いんだ、とそれこそ朝から晩まで連日流され続けた。

日本からケニアに旅行の予定を立てていた人はそれを観てケニア旅行を中止したひともいたほどだ。大手旅行会社で主催するツアーは到着日のナイロビ泊を中止し、空港からそのまま国立公園に向かう日程に変更したりした。勿論何の問題もなく楽しいサファリをし、面白い経験を沢山抱いて日本に帰って頂いたがこのテロリスト達のせいで観光立国ケニアのイメージが少々傷ついてしまった。

ケニアに観光で来る人が少なくなったとはいえ野生動物はそんなことに惑わされずいつものように生きている。毎年7月~9月に世界の七不思議の一つと言われているヌー(うしかもしか)の大移動がある。7月にタンザニアのセレンゲッティー国立公園からケニアのマサイマラ国立保護区に移動し9月に入ると逆にケニアからタンザニアに戻る。

だがケニアとタンザニアの国境近くに進路を遮るマラ河がある。平均幅約50m深さ2m以上ある激流でそれを10万頭という大群が泳いで渡る。場所によっては水面までの落差が20m以上もある崖を駆け下り、泳ぎ、反対側の崖を駆け上がって行く。そして激流の中で待ち受けているのがワニだ。必死に泳いで渡るヌーを水の中に引きずり込むとアットいう間に数頭のワニが群がって来る。

こういったハイシーズンにはマサイマラ保護区に50棟以上あるロッジは殆ど全て満室になる。3年前から予約金を払っても部屋の確保ができないこともある。

マサイマラ保護区だけでなくナクル湖国立公園やアンボセリ国立公園などメジャーな公園のロッジも予約が難しくなる。ナイロビ市内には4~5星のホテルは約30軒あるがこれらも殆ど満杯になる。最近は観光客だけでなくビジネスや政府関連の会議などでケニアに来る人が多くなりホテルだけでなく日本食、中華、イタリアなどのレストランも予約ナシではいいテーブルが取れないときもある。