ナイロビ近景その⑤

ケニアの東側はインド洋に面していて昔からアラブ、オランダ、ポルトガル、インド、中国などの国々との交易が盛んだった。それがあってケニアは東アフリカの玄関口とも言われ港で陸揚げされた多くの物資がウガンダ、ルワンダ、ブルンジなど内陸の国々に運ばれて行った。その途中の経由地がナイロビで、今はケニアの首都になっているが外国の食べ物も同時に入ってきたので現在でもアフリカ料理だけではなく諸外国の料理を食べさせてくれるレストランが多くある。しかし元々ケニアの人々の主食は豆類がメインなのでナイロビの庶民が行くレストランは栄養があって値段も安い豆類が多い。代表的な食べ物に“シマ”というのがある。粉にした白いトーモロコシをお湯に入れ、ムイコという先端がヘラ状になった木の棒で約10分程かき混ぜる。通称“ウガリ”ともいう。ある程度固くなってきたら蓋をして鍋を逆さにし5分程蒸らす。急いでいる時は蒸らさずにそのまま皿に盛ることもある。そのままだと表面に粉のツブツブが残っているので食べ易い大きさに切り、手の平でコネながら丸くしていく。コネコネを10回ほどやるとツブツブがなくなり、表面がスベスベになるのでその真ん中を親指で軽く押し窪みを付けてその中に肉や野菜を乗せて食べる。魚類などは玉ねぎ、コリアンダーなどと煮込むことが多くその煮込んだスープがまた栄養たっぷりでウガリによく合う。ケニア内陸部のビクトリア湖で獲れた淡水魚のティラピアも美味。ナイルパーチも脂が乗ったのをそのままフライパンに油を入れて揚げると表面が軽くカリっとし、それと一緒に食べるともっと美味しい。ナイロビ市内の店では鶏肉や牛肉のシチュウと食べるのが多いが僕の場合はなんと言ってもヤギの肉が大好物。ケニアのヤギはニオイがなく適度に油も乗り火で焼くと甘く香ばしい香りがして思わず喉がゴクリとなる。野菜はスクマウイキというホウレン草に似た葉を細めに切ってトマトや玉ねぎなどと一緒に炒める。これも慣れると葉に含まれるている甘さが滲み出てほっぺたの内側がとろける。このスクマウイキ、日常の会話の中ではスクマと言うがSUKUMA-WIKIと書く。SUKUMA=押す、WIKI=週という意味。何故そのような呼ばれ方になったかというと…スクマはジャガイモ、キャベツに比べ非常に値段が安い(一束一人前4円)。そして昔は給料が週1回、金曜日に支払われていた。給料を貰うと後先は考えず、たらふく飲んで食べてしまい貰った給料は全部使い果たしてしまう。もしも月1回の給料とすると残りの29日間はジリ貧の生活になってしまう。その為週1回に払うことにした。給料日の金曜日と翌日の土曜日は肉を買って家族に食べさせることができるがその後は金がなくなってしまい金曜日まではスクマだけの生活になってしまう。そこで1週間はスクマを食べて金曜日まで元気に過ごそう(生活を押す)ということになる。

それとよく見かけるのが道端で焼いて売っているトーモロコシ。チョマと言うが1本20円。多少固いが炭火で焼いているので思いのほか香ばしくお腹も満足する。

又最近はスーパーなどに買い物に行くと仕事帰りの女性が中国製のインスタントラーメンを5~10袋、買い物籠に入れている。子供たちが学校から帰ってきた時に夕食までの間のおやつとして食べさせたり夕食時ウガリやスクマと一緒に食べることもある。但し麺を茹でた後のスープは捨ててしまい麺はキャベツなどと混ぜ合わせ焼きそば風にして食べる。