昨日・今日・明日

by Endo San | Category Bootstrap | 2016-04-01 23:45:08

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大分前になるが白黒からカラー映画に変わる頃、ソフィアローレン主演の「昨日・今日・明日」という映画があった。それ以外にも「ひまわり」などを始めソフィアローレンの出ていた映画は沢山あり、それを観たさに毎週のように映画館の前を通り予告編を楽しみにしていた。勿論それ以外の映画もめったやたら観ていたのでストーリーがゴッチャになってどれがどれだか区別がつかなくなってしまったものもある。その当時の他の有名な女優さん達と美しさや知的さでは一歩譲るが何しろあの独特の存在感が堪らなかった。岩の上に長い足で立ち、荒れた荒野を見据えた時のあの逞しさ、かと思うと舞踏会でみせる雅やかな踊り、強く構えた中に潜むおふくろ的暖かさと、女としての優しさがズーンと響いてきてもしかしたら一目惚れしていたのかも知れない。  ナイロビには全く名前がその通りのYesterday,Today and Tomorrowという花がある。元々は ブラジルから入ってきた花でシュラブ系ナス科に属する。花の色が昨日は青紫、今日は薄紫、明日は白と変化する。夜になるとその花は非常に魅惑的な香りを周囲に漂よわせ、近くを通ると つい引き寄せられてどうにも立ち去りがたくなる。 ケニアの人々の間ではTomorrowとかNo problemいう言葉がよく飛び出す。日本人の概念としてTomorrowというと当然のように「明日」と思うのが普通だがこちらでは「その内に」とか「いずれは」とか「もし可能ならば」いう意味合いが強く、将来に向かってということを意味する。 確かに間違いではないがしかし例えば「今日は時間が取れないから明日13:00に中華料理店で会おう」と言うと殆ど間髪を入れずに「OK!No problem!」と返ってくる。翌日になりこちらはいかにも日本人らしく約束の15分前にその中華料理店に行き、一応テーブルの空きを確認し窓際の良い席を確保しておく。それから30分待っても1時間待っても相手は現われない。結局来ないので店の人に折角良い席を予約してくれたのだが、と謝ってバツの悪い思いをしてしまう。 相手に電話をすると… 「ユーノー、さっき政府の大事な人からお昼を誘われたのでそっちに行けなくなった」 と平気で言う… 「何だヨ、ジャ~それならそうと電話をくれればいいじゃないか」 「ユーシー、忙しくてヒマがなかったんだ」 「なんだよ、このやろ~こっちより大事なら今後二度と昼メシなんか奢ってやらないからな…」 「ノーノーノーエンドウ、そんなことじゃない、お前も大事だよ…」 もうこれ以上言っても無駄なのでイキナリ電話を切ってしまう。 ところが別の日に別の用事で会う約束をし、当日は車の渋滞などで思ったより時間が掛かり遅れてしまうような時、“どうせ相手も遅れてくるだろう”と多寡を括って行くと相手が既に来て待っていることがある。そんな時… 「エンドウ、お前日本人なのに約束の時間を守れないのか」と来る… 「イヤ~ワルイワルイ、交通渋滞がヒドクて…」などと言ういい訳が何となく自分もアフリカ人になってしまったようできまりがワルくなる。 もう一つよく使う言葉でON THE WAY COMINGというのがある。矢張り約束の時間通り現われない場合、相手に電話をするとこの言葉が出て来る。実際には約束を忘れてしまい驚いてこれから出る時にこのように言う。車で30分以上掛かるのに「アイム オン ザ ウエイ カミング ウエイト フォー2ミニッツ」と言う。これなんかは全く嘘を言うつもりなんかはなく、コチラが心配しないように、必ず行くから心配しないで待っていてくれ、という“心づかい”から来るものと思うしそう信じたい。 しかし普段から自分がよければ他人はどうでも構わない、といいながら自分の家に人を呼ぶのが好きでその時には特別のご馳走ではなく普段食べているものを出してくれる、それが家庭の温かさが出ていて嬉しくなる。いかにも貴方の為にこれだけの料理を用意しました、というのを出されるとどうも他人行儀な感じで気持ちが冷めてしまうものだ。 ナイロビ市内ではつい最近までいたるところにパーキングメーターがあった。車をパーキングする際、たまたま手持ちにコインがなく、近くに屯している子供にチョットお金を貸してくれと言うとサット来てメーターにコインを入れてくれて、ニコッと笑って行ってしまう。料金は1時間で約10円だったがそんな時には思わず100円のお小遣いをあげたくなってしまう。 そういった子供達が次の日は包帯で腕を吊るしたり松葉杖をついていかにも悲しそうな表情で近寄って来る。そこへポリスが通りかかると松葉杖なんか放り出し物凄い勢いで走って逃げて行ってしまう。 このパーキングメーターは故障が多く大分前に撤去され、代わって出てきたのがナイロビ市役所から派遣された黄色いユニフォームを来たオジサン・オバサン。小切手帳のような駐車券を手に駐車しようとする車が来るとサーッと近寄って行き料金を徴収する。去年までは日本円で約100円だったのが今年に入り2倍の200円になってしまった。しかしその領収書兼駐車券をダッシュボードにおいて外から見えるようにしておけば、その日1日中駐車区域ならどこへ駐めても構わない。他に車を駐められるところというと市内の空き地を有料駐車場にした青空駐車場がある。駐車料金というよりショバ代を払わされてる気分になってしまうが駐めている間に何があろうと責任は取らない。その車の間を洗車ボーイがバケツと雑巾を持ってさかんに動き回っている。普通乗用者タイプで100円程で、お金を貯めてどうするんだと聞くと“自分の親が誰なのかどこにいるのか知らない。お金を貯めて学校に行って勉強するんだ。大きくなったら車の修理工場を持ちたい”という。過去は恨まず明日に向かって生きる子供達を見るとこちらの気持ちも暖かくなってくる。このような子供達がもっともっと増えてくればケニアの将来も捨てたもんじゃないのだが…。

 

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